いよいよ手術日です。
手術の朝は早い。
手術当日、朝6時に起こされていつも通りに検温と血圧を測った。
手術は恐怖だが、今まで手術をしたことがなかったので未知という名の怖さがあった。
手術後3日程度は寝たきりになるようだった。そして、ずっと寝たきりで足に血栓が溜まるのを防ぐべくうっ血しそうなくらいきつい靴下を看護師さんにはかされた。いや、厳密には「履いておいてくださいね~」といわれたのだが、靴下の向きがあるらしく全く違う方向に履いていたので履きなおされた(笑)
その後、尿道カテーテルといってしばらくトイレにいけなくなるので局部に直接管を通すものがあるのだが、それをやられた。。。少し動くと自分のから管がでていて違和感も凄いし痛かった。
そのまま看護師さんに台に寝ころんでくださいと言われたので言われるがまま台に寝ころび、私は最初の処置室に連れていかれた。天井のつぶつぶとした模様を見ながら、そこまでスピードはでてないのだろうが寝ころんでいるとビュンビュン進んでいるように感じた。
最初の処置
最初の処置は、手術では背中の上から首の辺りを切るのでその部分は血が沢山めぐっているらしく出血が多くて手術にならないことがあるらしい。それを防ぐために、あらかじめ血管に栓をする作業だった。太ももの付け根から管をさして静脈に乗り手術で邪魔をしそうな血管に栓をするという結構原始的な処置だった。
看護師さんらが私を処置室のベットの上に乗せた。ベテランそうなおばさん看護師がテキパキと準備をしており、“こっちは尿道に管が入ってるんだから慎重にやってくれよ~”と心の中で叫んでいた。ところで、この手術用の浴衣が本当にペラペラの素材だった。緩いし、いまにも私の乳が見えそうで嫌だった。病気になると乳は見えそうになるし、尿道に管が刺さってるし、プライバシーと人権が薄れる事が一番嫌だった。
どうにか処置台に乗せられた私はタオルをかけられ待機させられていた。処置室の中は寒かった。私は点滴が繋がれていたのだが、その点滴には少し眠くなるのも入れられてるらしく私の意識は重たかったし、色んな機材が並べられており見るのが怖かったので意識的にぼんやりしていた。
太ももに麻酔をかけられた。歯を抜く時に感じるジンジン、ジワジワする感覚が太ももの付け根にあった。そこから太ももの付け根に管を入れられたのだがそれが痛かったし違和感が凄かった。ただ、それを通り過ぎればなんとか耐えられた。
先生と見習いの医者がいて「あ、ここは静脈がながれてるから~」と私そっちのけで私の体で実践練習が始まっていた。私は先生と見習いの子の掛け合いをぼんやりと聞きながらまるで教習所の先生と生徒のようだなと思っていた。
治療中は心細いに決まっている。ベテランおばさんがこまめに私の事を気遣ってくれるのが嬉しかった。
うつらうつらしていると処置が終わった。11時くらいに私はまた病室に戻った。
喉が渇いた。朝からいや、昨日の夜9時から食事は手術のためにとれなくなっていた。看護師さんに「お水を下さい。。。」と言うと、「お水は10時から飲めなくなっちゃうので飲めないです。。」と言われ愕然とした。そうだった、お水も手術前は飲めなくなるんだった、、、「お口ゆすぐのならできるんですけどしますか?」と言われ、私は口をゆすいだ。口をゆすぐとずいぶんスッキリした。
いよいよ手術本番
担当医からは14時くらいに手術が始まると言われたので、両親には13時に病院に来てもらう事になっていた。
私は手術まであと2時間くらいあるなと少し余裕こいていた。手術前にまた歯磨きをしなければならないのだが、まだ時間があるし歯磨きは後ででいいやとスマホを眺めたりしていた。
もうすこしで13時になりそうだったのでそろそろ歯を磨こうと思っていたら、看護師さんが早歩きで私の部屋に来て「先生に呼ばれたので手術室に向かいます!!!!」と言われて私は「えっ?もうですか?」と驚いていた。とりあえず歯磨きだけは済ませないと。全身麻酔では呼吸が小さくなるらしく喉に管をいれて酸素を送るらしい。その時に感染症のリスクを下げるために口の中をなるべく綺麗にしなければならない。なので歯磨きは必須なのである。
急いで歯磨きをしていると両親が私の部屋に来た。両親も私も手術は14時からだと言われていたので1時間も巻きで手術が行われると知ってバタバタしていた(笑)
私の歯磨きが終わるや否やストレッチャーに乗せられ手術室に両親とともに向かった。両親と面会してから私が手術室に運ばれるまでの時間わずか5分程度だったので、本当に両親が病院に来るの間に合って良かった~と内心思っていた。そしてよく医療用ドラマでみる手術室中と書かれた看板の扉をくぐると本当に手術が始まる….!!!!と逃げ出したい気分になっていた(笑)
手術室に入ると麻酔科の先生がいた。手術前にあいさつに来てくれていたので知っている顔があるだけでも安心した。そして相変わらず私の手術用の浴衣は緩く乳が見えそうで嫌だった。
心電図や酸素を測る機械を体につけられ酸素マスクをつけられて、いよいよ麻酔科の先生が「今から点滴の方で眠くなるの入れていきますね~目が回ったり体がほってったりする方がいるんですけどどうですか~?」と聞かれると、私の視界はグルグル回り始めて。。。そこから意識がなくなった。
術後
寝台車用のエレベーターで看護師さんに何か話しかけられた記憶はあるが。。。気が付いたら病室のベットで寝ていた。両親も入室を許可されて私の事を見ていた。私は気が付いたら両腕に点滴やら何やらのチューブが繋がってるのを見て“あ、手術が終わったんだ。。。”と思ったし、とにかく眠かった。
母親に手術頑張ったね。と頭を撫でられながら言われて私は頷き、“そうそう。この手に私は育てられたんだよ!!!!”と久しぶりに親の肌の暖かさを感じながら気が付いたらまた寝てしまっていたみたいだった。
次に目が覚めてもまだ眠たかった。辺りは暗くなっていて私の右手には痛み止めを入れるための点滴が繋がれていた。看護師さんから「痛みを感じたらこの痛み止めのボタンを押してください。」と言われた。正直なところ痛いのか痛くないのかよく分からなかった。ただ、何となく痛み?を感じた時に痛み止めのボタンを押していた。
背中辺りがやはり痛い感じがしたがそれよりもずっと仰向けで動けないので腰が痛かった。足には血栓ができないようにと太ももに機械が付けられており、一定の時間で私の太ももをギュウっと潰してきた。キツキツの靴下の上にその機械が巻かれていたのでとにかく太ももが360°全ての方角から押しつぶされていて足が痒かった。
それでも眠気の方が勝っていてうつらうつらしていると1日が終わった。
次の日も同じようにうつらうらしていたのだが、足につける機械をずっとつけているとこの膨らむ時の振動が脳みそまで来て軽い車酔いみたいになった。とにかく気持ち悪くなって胃がムカムカしたので、看護師さんにこれを外せないかと交渉したら1時間だけなら外していいと言ってくれたので靴下も外してもらうとあまりの足の軽さに意識が飛びそうになるくらい気持ちが良かった。
今回の手術では、尿道の管をこの足の機械がなんだかんだ一番不快だったなぁ。。。と振り返って感じる。
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